先月、大阪・梅田で開催された「メニーズ」の展示会にお邪魔してきました。
メニーズといえば、アメリカのコンポーネントブランド「SRAM(スラム)」の国内代理店。MTBからロード、グラベルまでを網羅し、もはや「SRAMジャパン」と言っても過言ではない存在です。
今回は、展示会で体感した最新SRAMコンポーネントの魅力と、同社が推進する「次世代規格」について詳しくご紹介します。
1. 無線変速のパイオニア「AXS」がもたらす自由
世界初の完全ワイヤレスコンポーネントを生み出したSRAM。現代の電動コンポにおいて「ワイヤレス」はスタンダードとなりましたが、その先駆者は間違いなくSRAMです。
「互換性の壁」が存在しない唯一のブランド
SRAMの最大の特徴は、「AXS(アクシス)」と呼ばれる無線システムで全てのグレード(RED / Force / Rival)が統一されている点です。
気持ちのいいクリック感で変速するスラムのワイヤレスコンポーネント。会場には体験キットも用意されていました。


スラム最大の特徴
- カテゴリーを跨いだミックスが可能:
シマノ等の他社ブランドでは、ロード用とMTB用のパーツを混ぜることは厳密なルール(互換性の壁)で制限されています。しかし、SRAM AXSなら「ロード用レバーでMTB用リアディレイラーを動かす」といったカスタマイズ(通称マレット編成)が自由自在です。 - フレーム形状を選ばない:
無線のため、複雑な内装フレームでも配線の手間がありません。ブレーキキャリパーもフラットマウント・ポストマウントを問わず、フレームに最適なものを選択して好きなレバーで操作できます。


2. フロントシングルの最適解と、進化したTT用パーツ

SRAMは「フロントシングル(1×)」をいち早く提唱したメーカーでもあります。今年のパリ〜ルーベでも、フロントシングルの「RED」を搭載したサーヴェロ・S5が勝利を収めるなど、その性能は証明済みです。
TT・トライアスロンバイクこそSRAMが選ばれる理由
タイムトライアル(TT)・トライアスロンバイク界において、SRAMの普及率は圧倒的です。
- 空力と軽量化: フロントディレイラーを廃した13速仕様(1×13)により、軽量化と空力性能を両立。
- 組み立ての簡略化: 配線やバッテリーの収納場所に悩まされるTTバイクにおいて、バッテリー一体型のSRAMはメカニックにとっても救世主です。
- 新作TTブレーキレバー(E1): 最新世代のE1キャリパーと互換性があり、タッチと制動力が大幅に向上しています。

非常にコンパクトでE1のブレーキキャリパーに対応したレバー達。

ブリーディングもしやすい形状となりメンテナンス性も向上。変速は外付けのグリップスを使用して行う。AXSのメリットを最大限活用するため、ブレーキレバーに余計なパーツは一切なく、確実なブレーキングと軽量化を果たしています。
TTやトライアスロン競技にはどうしても会場までの遠征が発生します。練習するにしてもバイクが特殊で速すぎるという理由から、交通量の少ない離島で練習をするライダーもいます。飛行機で移動となれば、フレームからバッテリーは取り外さないといけないため、バッテリーが内蔵されているコンポーネントよりは、スラムのようにディレイラーに直接取り付けるタイプのバッテリーのほうが管理しやすいでしょう。
3. 最新規格「UDH」
最近よく耳にする「UDH(ユニバーサル・ディレイラーハンガー)」。
これはSRAMが長年かけて推し進めてきた「ディレイラーハンガーの共通規格」です。



なぜ各社がUDHを採用するのか?
従来、ディレイラーハンガーはフレームごとの専用品で、破損すると取り寄せに時間がかかり、価格も高価でした。
- 入手性の良さ: UDHなら規格が統一されているため、どこのショップでも手に入りやすく修理が容易です。
- 精度の向上: 取り付け位置が規格で統一されるため、変速調整が極めて正確になります。
調整
さらに驚くべきは、UDH規格を利用した次世代MTBコンポ「T-Type(Transmission)」です。

ディレイラーをフレーム(スルーアクスル)に直接固定するため、従来の変速調整に必要だった「H/Lネジ」や「Bテンションボルト」すら存在しません。


落車にも強い耐性
微調整から解放される、まさに夢のコンポーネントです。
4. 高精度でメンテナンス性に優れたパワーメーター

SRAM傘下の「Quarq(クォーク)」によるパワーメーターも、E1世代となりさらに進化しました。


- 簡単な取り付け: チェーンリング一体型のため、SRAMクランクユーザーならスムーズに導入可能。
- 計測の正確性: マグネット不要で、パワー、ケイデンス、ペダル回転効率などを可視化します。
- 消耗品への対応:
- レッド/フォース: チェーンリング一体型ですが、新世代(E1)では専用工具でリング部分のみの交換が可能に。
- ライバル: スピンドル内部に単4電池を収納するタイプもラインナップ。


ユーザーのスタイルや予算に合わせて、柔軟にパワーメーターを選択できるのが魅力です。
まとめ:自転車界の未来はSRAMが創る
12速の登場から、D1(初代)を経てE1(三代目)へと進化したSRAM。
もはやコンポーネント単体の性能にとどまらず、フレーム側の規格(UDH)さえもSRAMの思想に合わせて最適化されつつあります。
- 最先端の技術をいち早く体感したい
- メンテナンスや互換性の悩みから解放されたい
- 自分だけの自由なカスタムを楽しみたい
そんな方は、ぜひ次回の愛車ビルドにSRAMを検討してみてはいかがでしょうか。間違いなく、自転車の新しい未来を感じさせてくれるはずです!


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