シマノの次世代コンポーネント「CUES(キューズ)」がリリースされてから約3年。完成車への採用も増え、すっかりお馴染みの顔ぶれとなりました。
「9速から11速までを統合する」という画期的なコンセプトを持つCUESですが、今回はあえて「CUESでロードバイクを組む(ドロップハンドル化)」という点に絞って、そのメリットや注意点を詳しく解説します。
12速コンポの高騰や電動化の流れの中で、あえて「機械式・高耐久」なCUESを選ぶ魅力に迫ります。
1. CUES最大の武器は「共通パーツ」による圧倒的な拡張性
CUESは9速・10速・11速のグレードが存在しますが、最大の特徴は
「すべて11速用のチェーンを使用する」
という点です。これにより、修理やカスタムのハードルが劇的に下がりました。

フロントダブル(2×)で組む場合の選択肢
- フロントディレイラー: 「FD-U6030-F」を使用。直付けタイプと、クランプバンドタイプがあります。クランクのチェーンリングタイプが変わろうとFDはこれで動作可能です。


- クランクセット:「FC-U6040-2」または「FC-U6030-2」

- 46-32T: 「FC-U6040-2」はグラベル風の軽いギア比を楽しみたい方向け。


- 50-34T: 「FC-U6030-2」ロードバイクらしい高速走行を楽しみたい方向け。

一見するとクランクの見た目はほぼ変わりませんが、ロード用のFC-U6030-2のほうがチェーンリングの見た目に違いがあります。

9速から11速まで互換性はあるが一部例外あり
ここがCUESで組む際の重要なポイントです。すべての組み合わせが自由なわけではありません。
| 段数 | リムブレーキ / 機械式ディスク | 油圧ディスクブレーキ |
| 9速 | 対応(ST-U3030) | 対応(ST-U4030) |
| 10速 | 対応(ST-U3030) | 対応(ST-U6000系) |
| 11速 | 非対応 | 対応(ST-U6000系) |
油圧ディスクブレーキを選択した場合、はすべての段数で対応するレバーは存在するが、紐引き(リムブレーキ/機械式ディスクブレーキ)を選択した場合、11速には対応することはできません。
3. 油圧STIレバーの画期的な互換性
CUESの油圧STIレバーには、これまでのシマノにはなかった大きなメリットがあります。
- 10速と11速が「兼用」:

- レバー内部の「スピードセレクター」を切り替えることで、10速・11速どちらでも動作します。
- 安価なアップグレード:
従来、10速(Tiagra)から11速(105)へアップグレードする際には、高価なSTIレバー(特に油圧は)の買い替えが必須でした。CUESなら、レバーはそのままでスプロケットとRDを交換するだけで11速化へのアップグレードが可能です。



4. 【重要】組み立て時の「大きな落とし穴」
CUESで油圧ディスクブレーキを組む際、最も注意すべきなのが「専用コネクティングボルト」です。
CUESの油圧ディスクブレーキはドロップハンドル版でもMTB用の油圧ディスクブレーキホースを使用します。



- 別売りパーツの罠:
CUESのSTIレバーにホースを接続するための「フランジ付きコネクティングボルト」は、レバー本体にもホースセット(BH-59)にも付属していません。付属するのはオリーブとコネクトインサート・コネクティングボルト(ブレーキキャリパー用)のみです。

- なぜ付属していない?:
おそらくシマノは、CUESを「完成車の補修用」として想定しているためでしょう。単品でバラ完・組換をする方は、必ず専用ボルトを別途注文してください。これを忘れるとSTIレバーの交換・取り付け作業ができません!(必ず2個。左右分注文してください。)

5. リアディレイラー選びと「160mmローター」の制限
リアディレイラーの選び方
トータルキャパシティ(スプロケの歯数差 + チェーンリングの歯数差)を計算して選びます。

2×9速の場合で説明すると、リアディレイラーはRD-U4020を選択します。


フロントディレイラーは、チェーンリングの端数差が16Tでリアスプロケットの最大丁数が36Tであれば動作可能ですのでトータルキャパシティーは41になります。10/11速のリアディレイラーも同様にトータルキャパシティーは41となります。
※2×11速で組む場合、スプロケットはCUESではなく新型ティアグラ11速用スプロケットを使用します。絶対に11速用の11-36T(CS-RS400-11)を使用してください。旧11速モデルのスプロケット(11-36T以下のサイズ)とは互換性がないので動作できません。

(補足すると、末尾に~20と表記されている品番はフロントダブルの製品です。2×11のロードバイクギア比用は末尾~40となります。)
- 互換性の例外: 9速モデルのみ、10/11速のシフトレバーと互換性がありません。9速から段数を上げる際はレバーの交換が必要です。
9速から10/11速まであるCUES。段数を変更する際は、使用する段数に適合したリアディレイラー・スプロケット・STIレバー3点を交換する必要があります。
油圧ディスクブレーキを選択した場合に限っては、10/11速STIレバーに互換性があるため、スプロケットとリアディレイラーの2点のみの交換で済みますが、9速、または紐引きを選択した場合は必ず3点を交換となります。

もしフロントに変速機を使用しない「フロントシングル」を選択した場合、10/11速なら使用するスプロケット最大丁数が45Tまたは50Tであればリアディレイラーも共通となるためスプロケット1点の交換のみで段数を変更可能です。こうしてみると油圧ディスクブレーキを選択したほうがメリットが多く思えます。

ブレーキキャリパーの制限
CUESのフラットマウントキャリパーは、「160mmローター専用」です。

アダプターが装着できないデザインのため、ロードで一般的な140mmローターは使用できません。


レース現場でのホイールサポート(140mmが主流)を受ける場合には注意が必要ですが、普段使いやツーリングでは160mmの方が制動力に余裕が出るため、むしろメリットと言えます。
機材マウントが存在しないCUES
これまでのロードバイク界には「DURA-ACE > ULTEGRA > 105」といった明確な階級(グレード)が存在し、それが時に「機材マウント」を生むこともありました。
しかし、CUESにはそれがありません。あるのは「用途に応じた段数とギア比の選択」だけです。
こんなライダーにCUESは最高の一台になる
- 高額すぎる電動コンポに疑問を感じている方: 高額なDi2より、タフで直せる機械式を。
- 古い愛車を蘇らせたい方: 廃盤パーツに困っている旧車のレストアに最適です。
- 「競わない」楽しみ方をしている方: フィットネス、キャンプツーリング、イベント参加がメインの方。
CUESは、最新のカーボンフレームから、お気に入りのクロモリフレームまで、幅広く「長く付き合える」コンポーネントです。
コストを抑えつつ、自分だけの実用的な一台を組みたい方は、ぜひCUESを選択肢に入れてみてはいかかでしょうか。添付しているリンクの商品をクリックすれば、必要なCUESのパーツがゲットできるので、ぜひクリックよろしくお願いいたします。

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