
近年、ロードバイク界のトレンドといえば「軽量と空力を統合し、1台ですべてのコースを走破する「One bike to do it all」オールラウンダー化でした。各社がエアロロードと軽量ロードを統合する中、ベルギーの名門リドレー(Ridley)はその流れに真っ向から異を唱えたようです。
「我々は『1台ですべてをこなす』という哲学を信じていない」
(cerveloの哲学ととても似ている)
そう言い切るリドレーが、山岳グランツールを制するために世に送り出した最新鋭の決戦兵器――それが完成車重量わずか6.2kg、フレーム重量705gを誇る新型『Falcn RS 2.0』です。
海外自転車メディア『Cycling Weekly』が報じた注目の最新情報を、余すところなくお届けします!
1. 開発の背景:なぜ今、特化型の軽量クライミングバイクなのか?
リドレーのエアロロード「Noah Fast(ノア ファスト)」は、プロ集団の中でも屈指の空力性能を誇るモンスターマシンです。しかし、平坦で圧倒的なスピードを誇る反面、登坂ステージではどうしても重量がネックになっていました。

S5を上回る空力性能をほこるが、7.9キロの重量はハイエンドバイクとしては重い
ワールドツアーで活躍するUno-X Mobilityチームが3週間にわたる過酷なグランツールを戦い抜くには、超級山岳をトップスピードで駆け上がれる「軽さ」と「最新の空力」を兼ね備えた専用バイクがどうしても必要だったのです。
そこでリドレーは、前作のFalcn RS(2023年登場)をベースに妥協なきフルモデルチェンジを敢行。
実はこのプロトタイプ、2026年ツール・ド・フランスの第6ステージ(山岳)において、当時マイヨ・ジョーヌ(個人総合首位)を着用していたトルステイン・トレーエン選手が、自身の黄色に塗られたNoah Fastをあえてピットに残し、未発表だったこのFalcn RSを駆って出走したことでも大きな話題を集めていました。
2. 驚異のスペック:フレーム705g、完成車で「6.2kg」へ

新型Falcn RS 2.0の最大のトピックは、徹底的なダイエットによる驚異の軽さです。
- フレーム重量: 705g(Mサイズ / 前作比マイナス120g)
- フォーク重量: 347g
- シートポスト重量: 100g
- 最軽量完成車重量: 約6.2kg(ペダルなし / SRAM Red AXS仕様)
フレームセット全体で前作から12%もの軽量化を達成。UCI規定の最低重量リミット(6.8kg)をなんと600gも下回る仕上がりです(SRAM Force AXS仕様でも約6.65kg、Shimano Ultegra Di2仕様でも約6.8kgをマーク)。もちろんUDHにも対応しています。
軽すぎる!!完成車で購入しても後から手を加える箇所がないほど完成されたスペックです。

徹底した軽量化のアプローチ
- カーボンレイアップの最適化: 剛性が必要な負荷部分にカーボンを集中させ、不要な層の重なり(オーバーラップ)を極限まで排除。
- 中空リアブレーキマウント: リアブレーキ台座周辺を削ぎ落とし、強度を保ったまま中空化。
- Di2バッテリーの移設: バッテリーを従来のシートポスト内からダウンチューブ内部へ移設。これにより、シートポストを極限まで薄く・軽くシェイプアップすることに成功。
- チタン製ボルトを備えた超軽量シートクランプの採用。
Di2バッテリーがシートポストからべつの位置に変更されるながれは近年増えています。それによりシートポストの形状を独創的にできるだけでなく、ライダー目線からは輪行する際などシートポストを抜くことがあるときとても便利です。シートポストを外す際にケーブルが取れてしまうトラブルがあるのですが、フレームの中からケーブルを抜き出すのはとても面倒。バッテリーをとりだしてまでメンテナンスすることは稀ですので、日常的にメンテナンスしやすい箇所からバッテリーを移動してくれるのは、個人的にはいいと思います。
3. 「軽さだけ」ではない:Aero-to-Weight思想
リドレーはFalcn RS 2.0を純粋なヒルクライムバイクではなく、「Aero-to-Weight(軽さと空力の最適融合)」バイクと定義しています。


- 洗練されたエアロチューブ形状:
薄く縦に長いヘッドチューブ形状など、空力性能を大幅にブラッシュアップ。平坦路や下り基調でもしっかりと巡航スピードを維持します。 - スプリンターのパワーを受け止める横剛性:
フレームを大幅に軽量化しながらも、プロ選手がゴール前でフルモガきできるエアロレーサー基準の横剛性をキープ。 - 最大34mmのワイドタイヤクリアランス:
現代のレースシーンで主流となったワイドタイヤに完全対応。低い空気圧で転がり抵抗を減らし、悪路や下りでのトラクションと快適性を確保します。


4. プロのライディングスタイルを反映した「新ジオメトリ」
フレーム形状だけでなく、ジオメトリも大幅に進化しました。
- 全サイズ共通「76度の急勾配シートチューブ角」
プロ選手が極限までサドルを前出ししてペダリング効率を高める最新トレンドに合わせ、シート角を立った設計(76°)に変更。骨盤を起こし、股関節の角度を開くことで、深い前傾姿勢でもスムーズかつ高出力なペダリングを可能にします。 - 低重心&高速スタビリティ:
長めのリーチと低めのBBドロップ(78mm)を採用し、高速ダウンヒルでもブレない高い安定性を発揮。 - 「Forza Nimbus Pro」インテグレーテッドコクピット:
専用の一体型カーボンハンドルバーを標準装備。無理のないポジションでエアロなフォームをキープできます。
まさにクライマーのために生まれ変わったFalcn。登坂でアタックをかけたくなるジオメトリですね。
5. 価格とラインナップ
リドレー公式のオンラインコンフィギュレーターにより、ハンドル幅やクランク長、カラーのカスタムオーダーにも柔軟に対応します。
(まだ国内代理店からは価格のアナウンスはないようです。2026/10月時点)
- フレームセット: 約€4,999〜
- Shimano Ultegra Di2 完成車: 約€6,959〜(約€7,499)
- SRAM Force AXS 完成車: 約€8,499〜
- SRAM Red AXS 完成車: 約€10,635〜(約€12,499)
新型デュラエースが来年には登場することを考えると、フレームセットを購入しておいてとりあえず組んでから新型デュラエースを入れるか・・・新型デュラエース完成車価格がでるまで様子をみるか・・・
そもそも日本での販売価格がまだ明確でないので続報が気になります。
まとめ:「登り勝負」にすべてを賭けるライダーへの決定打
すべてを1台でこなす万能バイクが市場を席巻する今だからこそ、リドレーが放った「登りとアタックに特化したピュアレーサー」は強烈な個性を放っています。
- 平坦基調やクラシックレースには、極限の空力を誇る「Noah Fast」
- グランツールの山岳ステージや激坂コースには、6.2kgの「Falcn RS 2.0」
勝つための選択肢を妥協なく追求するリドレーのレーシングスピリットが詰まったFalcn RS 2.0。ヒルクライムレースで頂点を目指すサイクリストや、軽快な登坂フィーリングを求めるライダーにとって、これ以上ないドリームバイクの登場と言えそうです!
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