ワイヤレスコンポーネントが広く普及し、フレーム形状も「完全内装フレーム」でのリリースがもはや当たり前になってきた自転車メーカー達。カーボンであろうがなかろうが、技術と規格の進化は日々進んでおり、クロモリフレームであろうがMTBであろうが完全内装フレームは存在するご時世だ。
しかし、それらのフレームが絶対に機械式コンポーネントで組めないのかといわれると、「電動ワイヤレスコンポーネントオンリー」と指定があるフレーム以外であれば可能だ。しかし、その作業は困難を極める場合も・・・
今回は機械コンポーネントの価値と魅力を僕なりに発信していきます。
機械コンポーネントの現状。
スラムやカンパニョーロからは、最新のコンポーネントで機械コンポーネントがリリースされることはここ数年されていない。各社コンポーネントの電動化と、そのプラットフォームを推し進め、ユーザーがよりバイクを正確に組みやすい、カスタマイズがやりやすい環境を整えている。
そのため、コンポーネント自体の価格高騰にもつながっているのが実情なのだが、自転車を整備する側に長く携わっている自分からしても、電動コンポーネントは高価だが一度組み付けてしまえばメンテナンス頻度・精度は機械式に比べると格段にいい。システムで制御されているので変速動作を一度設定してしまえば、もはや間違えようがない。どんな環境下であってもプロが整備した変速をいつでも体感できてしまうのだ。そのため、機械コンポーネントはどうしても新作のリリースがどうしても遅い。というか、前線から退いている感じがしてならない・・・

ここ最近でリリースされた機械コンポーネントといえば、シマノCUES(キューズ)のロードモデル。ついに11速化をはたしたR4000ティアグラ。シマノが推し進める「コンポーネントの統合」を担うCUESがとうとうロードモデルで2×11速化をはたした。エントリーモデルからe-BikeコンポーネントのOEMはすべてCUESが担当する未来が見えた。
これをみると「機械式コンポーネントは今後エントリー完成車モデルを作るためのコンポーネント」になり、それらを修理するために供給されていくように思える。
なんというか、合理的すぎる・・・
機械コンポーネントが愛される理由。
最新の機械コンポーネントの話はここまで。機械コンポーネントのトレンドを追うのもいいのだが、機械コンポーネントを愛用しているユーザーは、このトレンドを追うことにそこまでこだわっていないと思う。
「確実な変速感」
「自身での整備性と維持費」
「バイクとの一体感」
これらを重視してその時代の機械コンポーネントを愛用して使い続けている。これは機械コンポーネントが愛される理由だとおもう。

自分が乗りたいと思ったバイクをいつもまでも乗り続ける。その自転車のコンポーネントが機械式コンポーネントであったという理由だけかもしれないが、その時代にマッチしたコンポーネント、ムーブメントによって完成される車体もあるのだ。
電動コンポーネント最大の弱点。モデルチェンジ。
電動コンポーネントはもはや家電です。かなり大胆な表現ですが、電子機器であることは間違いないです。10速時代に登場したシマノDi2を例にすると、リリース時はリアスプロケットの段数増加にも、Di2システムのアップデートによってスプロケットを交換するだけで対応できる言われていた(思われていた・・・)
しかし、そんなことは一切なく、11速・12速と段数の増加とコンポーネントがアップグレードする度に互換性梯子は完全に外されてコンポーネント全体の交換を余儀なくされた。
パーツを継続して販売してくれるのであれば10速Di2を愛用しているユーザーも安心できるのだが、そんなことはない。メーカー在庫が生産終了してしまえばそれでサポートはほぼ終わりなのだ。
機械コンポーネントであれば、サードパーティーが豊富で、往年の名コンポーネントの修理・修復も純正品にこだわらないのであれば可能だ。しかし、電動コンポーネントはそうはいかない。電子機器ですので、サードパーティーブランドで修復など不可能なのだ。
モデルチェンジする度に買い替えなんてたまったもんじゃないから、最新の電動コンポーネントはワイヤレス化とプラットフォーム化をはかり、すこしでもパーツを長く・コスパよく維持しやすい環境を作っているのだと思う。
コスパ重視でクラシック電動コンポーネントを購入することは、個人的にはやめといたほうがいいと思います。クラシック電動コンポーネントは有線。有線電動コンポーネントはフルワイヤレスオンリーフレームには組み付け不可です。
時代に合っていない・・・
パーツは手に入りにくい(ほぼ無理)
電子パーツ劣化・破損が分かりにくい。(分解は不可能)
スマホで例えると、iPhoneの最新モデルよりやすいからといって、わざわざiPhone6なんて今更買いますか?使えるかもしれないけど、まともにどれくらい動くのかわからないし、ほとんどのアプリに対応できないです。結構割り切った使いかたでないと、クラシック電動コンポーネントの導入には踏み切れないはず。
機械コンポーネントの魅力。

機械コンポーネントは機構さえしっかりメンテナンスされていれば、ほぼ確実に動作します。
レバーを引き変速機が動作して、チェーンがスプロケット・チェーンリングにかみ合うこの感覚。このムーブメントが最大の魅力なんです。
整備が完璧に行き届いたコンポーネントは、まるでチェーンが生き物のように動き変速していきます。自分が選んだパーツ達が、自分の整備次第で神がかった動作をしてくれる。快感でしかありません。

今現在「カンパニョーロ エカル」というグラベル用1×13機械コンポーネントを使用していますが、とくにカンパニョーロの機械コンポーネントは整備が難しいんです。組手次第で変速の動作がまるで違う。ちゃんと組み込まれていないと、いつまでも不完全な変速のままで楽しくない。完璧な調整以外認めないとカンパニョーロから言われているようでした。
実際変速調整と油圧ブレーキの調整がすんでも、納得のいくレベルまでは数カ月かかりました。今や触れるだけて変速が完了し、ブレーキをかけても全く異音もなく完璧なブレーキをしてくれます。感動しました・・・これが自転車発祥の地でうまれた「カンパニョーロというコンポーネントなんだ」

この数多くのパーツ達で構成されるシフトレバー形状。これら一つ一つのさまざまなパーツかかみ合うことで生まれるムーブメントを体感するのが機械式コンポーネントの醍醐味。
日々手を加えてることの楽しさ、それにかけた時間にちゃんとこたえてくれる。機械コンポーネントの魅力はここにつきます。
リムブレーキという選択は捨てないで。状況次第で大活躍。
僕は機械コンポーネントで油圧ディスクブレーキを使用しています。さすがに僕のバイク達もすべてディスクブレーキモデルに置き換わりました。自転車に携わっている身としては、どしてもこれからの技術革新についていく・体感していくにはディスクブレーキモデルの導入は必須です。
リムブレーキ・・・ほぼロードバイク市場からいなくなりましたね。ブレーキがディスクブレーキに置き換わるだけでここまで速く、快適になるなんて想像できませんでした。ほんとにモダンバイクは速いですよ。
しかし、ディスクブレーキの登場で整備の難易度や、分解するための工具・アクセサリーが増えました。これは「輪行」や「遠征」するユーザーにはデメリットだったはずです。
まず出先でディスクブレーキ関連の重要パーツを忘れた、または故障してしまった場合、ほぼ詰みです。意外とスルーアクスルや、ブレーキパットがくっついてホイールが取り付けできないというトラブルはよく聞きます。
リムブレーキであれば、ブレーキ関係のトラブルで走行不能になるなんてことは稀です。ブレーキパットやワイヤーだって、地域のスポーツ用品店に行けば入手可能です。壊れても目に見えて壊れた個所が判断できるので対象もしやすい。折り畳み自転車は未だリムブレーキが主流なのはこのメリットも関係していると思います。(小径車・折り畳み自転車にディスクブレーキの制動力は必要なのかって話もあがりますが・・・)
輪行を楽しまれるユーザーであれば、行く地域にもよりますが、あまりにも複雑な機構のバイクですとホントにトラブル一つで走行不能になる可能性がありますので、状況にあわせて「リムブレーキ」という選択も捨てないでください。
機械ディスクブレーキをリムブレーキ用ブレーキレバーで動作できます。むしろ数年前まで僕は機械ディスクブレーキを愛用していましたので、フレームだけ一新して機械コンポーネントを愛用していました。
ブレーキタイプに応じてもリムとディスクブレーキは切り替えて組み込むことができるので、一番いいのは双方のブレーキタイプのフレームを所有して自転車ライフを楽しむことだと思います。これができるならあなたは間違いなく自転車愛好家の一員です。
レバーはそのままに、機械式ディスクブレーキを導入してみよう
僕が使ってきたおすすめの機械式ディスクブレーキをご紹介します。

プロマックス DSK-330R
コスパ最高のプロマックスのシングルピストン機械式ディスクブレーキになります。

とにかくレバータッチが軽い。テクトロの安価なシングル・デュアルピスト機械式ディスクブレーキよりよっぽど制動力も高くておすすめです。ディスクローターも付属して¥3,872(税込み)という驚きのコスパ。このブレーキで峠をふくめた200キロのライドを結構しましたが、しっかり動作してくれました。
シングルピストンタイプなので、ディスクローターに「放熱フィン」がついている商品は取り付けができません。ですので、制動時にローターが熱をもつと笛の音のように「ピーーーーーー!!」と音が鳴ります。
「あぁこれはまずいからローター冷やすか・・・」と思わせてくれます。
効かなくなることはないのですが、付属しているローターの熱耐性は皆無ですので、放熱フィンのない熱耐性のあるローターへ交換してみるものありです。
フロントには対応するフラットマウントアダプターの購入が必要です。リアの場合、140mmローターであればアダプターなしで取り付け可能です。対応する取付ボルトを選んで購入しましょう。

TRP HY/RD
「テクトロレーシングプロダクツ」略してTRP。テクトロといえば多くの完成車にブレーキを供給しているブランドです。もう親の顔よりよく見たコンポーネントブランドです。
TRPそのテクトロの上位モデル。レース強度でも使用できるコンポーネントを製造するブランドになります。お金を出して買うテクトロになります。

TPRからリリースされるHY/RDは、機械式ディスクブレーキと油圧ディスクブレーキ双方の性能をあわせた「ハイブリッドディスクブレーキ」になります。
一体どういうシステムかというと、ブレーキレバー自体は機械式でブレーキインナーケーブルを引くことで動作させます。この引く動作で稼働する箇所が油圧式へ変換するシステムになります。
これによりレバータッチが油圧ディスクブレーキの様に軽くなることと、ブレーキ本体は油圧式のため、ブレーキパットが減ってもクリアランスを自動で調整してくれます。機械ディスクブレーキの場合、ブレーキパットが減ってしまった場合工具を使用してクリアランス調整を行う必要がります。今頻度が結構多く、機構を理解していないと思ったような制動ができません。
ピストンタイプもデュアルピストンですので、プロマックス DSK-330Rと違いディスクローターの種類に制約はありません。より制動よくの高いディスクローターと組み合わせることで、完璧なブレーキングを得られることでしょう。
デメリットはその重さ・・・アダプターを含めると片側250g近くあります。


そしてブレーキ自体が大きいので、とくにリアフラットマウントの場合、シートステイとチェーンの角度がきつい場合アダプターなしでもフレームと干渉して取り付けができない場合があります。

ビアンキのアリアやオルトレレースのようなフレームには絶対に取り付けできないです。
新旧問わず機械式コンポーネントはありつづける
機械式コンポーネントにしかない魅力。手間ひまをかけて、かけた分だけ答えてくれる機械式コンポーネントはこれからも活躍してくれるし僕たちも愛用し続けていくことでしょう。
フレームタイプがディスクブレーキが主流となった時代ですが、ブレーキタイプの変更で柔軟に対応することもできます。
あのころ僕たちを遠くまで連れて行ってくれた自転車。コンポーネント達はまだまだ現役で活躍できるかも。自転車は年齢に関係なく末永く楽しめるスポーツです。倉庫に眠っている自転車があれば、一度整備してなおしてサイクリングをはじめてみませんか?

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